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プレミアリーグ、フラムのストライカーであるセルビア代表FWアレクサンダル・ミトロビッチにとって、ここ2シーズン以上に波乱万丈のキャリアはなかったに違いない。
英『BBC Sport』でも今最も注目されているストライカーとして取り上げられているミトロビッチは、今2022/23シーズン、プレミアリーグで輝きを放つことができるのか。ここまでの流れや、注目のポイントをご紹介したい。
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苦悩からの返り咲き
2020/21シーズンは、ミトロビッチにとって本当に悲惨なシーズンとなってしまった。プレミアリーグではわずか13試合の先発出場に留まり、2018年から所属するフラムは2部に降格した。
またセルビア代表では、2020年11月13日、PK戦の末スコットランドに敗れ(PK戦4-5)EURO2020への出場権を逃している。同PK戦で5番目のキッカーを任されたミトロビッチが放ったシュートが、キーパーに阻まれてしまった。
その1年後の2021/22シーズン、ほろ苦い思い出をすべて清算することに成功したミトロビッチ。2部のチャンピオンシップでは44試合で43ゴールという前代未聞の記録を打ち立て得点王となり、フラムのプレミアリーグ昇格を先導する。
さらにセルビア代表では、FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)出場をかけたポルトガルとの大一番(2021年11月15日1-2)で、FWドゥシャン・タディッチのクロスに頭で合わせたアディショナルタイム弾によって、欧州最終予選を首位で突破しカタール行きを手繰り寄せた。
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プレミアリーグでの苦境
ミトロビッチのプレミアリーグ挑戦は、2015/16シーズンのニューカッスル・ユナイテッドから始まり同シーズンで降格を経験。2018年2月に半年のレンタルでプレーしたフラムの昇格に貢献するも、完全移籍後の2018/19シーズンにまたも降格した。そして2020/21シーズンと、3度もの降格を経験している。
一方で、2015/16シーズンのニューカッスルでは9ゴール、2018/19シーズンのフラムではチーム最多の12ゴールと、個人では決して悪くない記録を残している。しかしプレミアリーグ定着を狙い挑んだ2020/21シーズンは、そうした過去の華々しい記録とは裏腹に苦境に立つシーズンとなった。
当時フラムに就任したスコット・パーカー監督からの信頼があったとはいえず、たった3ゴールでシーズンを終えてしまったのである。監督、周りの選手、戦術など、すべてにおいてクラブはミトロビッチを活かすことができなかった。ディフェンダー2、3人を背にしてボールを受け取ることが多く、ゴールに迫るプレーに結びつかなかったと分析する。