熱帯魚の縞模様は「チューリング・パターン」と呼ばれる一定の法則で形成されます。

そして最近、国立大学法人 電気通信大学大学院 情報理工学研究科基盤理工学専攻の伏屋 雄紀(ふせや ゆうき)准教ら研究チームは、ビスマス(元素記号:Bi)の原子層に現れる模様もチューリング・パターンだと解明しました。

生物に見られる自然界の法則は、原子スケールの固体物理学にも当てはまっていたのです。

研究の詳細は、7月8日付の科学誌『Nature Physics』に掲載されました。

目次
チューリング・パターンは生物に見られてきた

チューリング・パターンは生物に見られてきた

熱帯魚のシマシマ模様「チューリング・パターン」が原子の世界にも現れていた
(画像=熱帯魚の縞模様にはチューリング・パターンが見られる / Credit:Depositphotos,『ナゾロジー』より 引用)

1952年、天才数学者アラン・チューリング氏は、生物界に共通する模様メカニズムを解読しました。

熱帯魚やキリン、チーターなどの独特な模様が一定の法則に従って形成されると発表したのです。

実際、それらの模様の形成方法は、比較的簡単な数式で表現できます。

現在ではチューリング・パターンが、それら生物の「細胞同士の波のような相互反応」で形成されると分かっています。

そしてこれまでに確認されているチューリング・パターンのほとんどは、0.1mm〜10cm程度の範囲に限られていました。

しかしチューリング氏の理論には、パターンの大きさを制限する要素は入っていません。

つまり理論上では、もっと小さなパターンを発見できるかもしれないのです。

そして今回、伏屋氏は生物とはかけ離れた「固体物理学」のナノ世界でチューリング・パターンを見つけました。