「エネルギーを使用する代わりに、建物全体が動力源として機能する自家発電ビル」は、私たちの頭の中だけに存在する未来都市でした。

しかし、こうしたビルが建てられる日もそう遠くはありません。

米国ミシガン大学電子材料工学部のスティーブン・フォレスト氏らが9月1日、『PNAS』誌で発表した研究によると、窓用の透明なソーラーパネルの開発に成功したとのことです。

新しい太陽電池は、43.3%の透明度(英: transparency)かつ8.1%の電力変換効率をもっており、発電する窓としての利用が期待されています。

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建物の窓と従来のソーラーパネル

建物の窓と従来のソーラーパネル

透明なソーラーパネルの作成に成功!「窓が発電装置」になる
(画像=Credit:depositphotos,『ナゾロジー』より 引用)

高層ビルには非常にたくさんの窓ガラスが利用されています。そしてこれらの窓ガラスには通常、光を反射・吸収するコーティングが施されており、建物内に眩しい光や過剰な熱が入ってこないよう設計されているのです。

窓のテクノロジーはとても有用ですが、研究者チームはそれによって「捨てられている光エネルギー」を建物の電力供給に利用できないかと考えました。

そのための有効手段となるのは、現在世界中で活用されている「ソーラーパネル」でしょう。

しかし、ソーラーパネルを窓として利用するには問題がありました。なぜなら、現在一般的かつ最も電力変換効率の高いシリコン系ソーラーパネルは透明ではないからです。

私たちがよく目にする住宅用ソーラーパネルのほとんどがシリコン系であり、その電力変換効率は13~20%と高効率ですが、窓には使用できません。

そこで研究者たちは、シリコン系ではなく有機系(炭素ベース)を利用したソーラーパネルに注目しました。

透明なソーラーパネルの作成に成功!「窓が発電装置」になる
(画像=Credit:University of Michigan,『ナゾロジー』より 引用)

素材を変えることで、透明かつ高効率なソーラーパネルの開発に成功したのです。