変異遺伝子は嗅覚の多様性に繋がるかも

魚の生臭さが気にならない人は、”食生活によって遺伝子が突然変異している”かも
(画像=アイスランドの漁港 / Credit:depositphotos、『ナゾロジー』より引用)

さらに、変異したTAAR5遺伝子を持つ人々は一定数存在することも明らかになっており、地域差が生じているとも判明。例えば、ヨーロッパ全体では0.8%の人が変異した遺伝子を持っており、アフリカでは0.2%の人が持っています。

そして今回の研究が実施されたアイスランドでは約2%という他と比べて高い割合を示しました。

アイスランド大学の神経科医カリ・ステファンソン氏によると、この割合には食生活が関係しているかもしれないとのこと。

実際、アイスランドでは魚料理がよく食べられます。特にこの国の郷土料理であるハカールはニシオンデンザメを発酵させたものであり、尿とチーズのような風味をもっています。

ところで、このような嗅覚の違いを「危険を見抜けない遺伝子の劣化」として考えるべきなのでしょうか?

今回の研究はその疑問にも光を当てています。

研究によると、変異したTAAR5遺伝子をもつ人々には、変異のない人々よりも甘草やシナモンのにおいをより心地よいと感じる傾向があったとのこと。

ですから研究チームは、この遺伝子の変異が嗅覚の多様性や向上につながる可能性があると指摘しています。

もちろん現段階では受容体と遺伝子について分かっていない点も多いでしょう。嗅覚の多様性は非常に奥深いものであり、さらに探っていくべきものなのです。


参考文献

smithsonianmag


提供元・ナゾロジー

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