世界全体でコロナ禍は、徐々にではあるものの回復基調にあります。

世界保健機関(WHO)は、世界人口の3分の2あまりが高水準の新型コロナウイルス中和抗体を保有しているとの見方を示しています。

また新型コロナウイルスの感染者数は世界中で減少傾向が見られています。その理由として専門家は、先進国を中心としたワクチン接種の進展や、地域によっては多数の人が感染し免疫を持つ人が多くなっていることなどを挙げています。

この記事では、5月1日から5月31日ごろまでの世界各国の動きについてまとめてご紹介します。

目次
【東アジア】日本、外国人観光客の受け入れ再開へ
 ・日本 外国人観光客の受け入れ再開へ
 ・韓国 仁川空港の国際線正常化へ
 ・北朝鮮 国内のコロナ感染を初めて公式に確認
 ・中国 上海市ロックダウン解除、団体旅行の規制も緩和
 ・台湾 入国制限緩和も、外国人観光客の受け入れ再開は検討せず
 ・香港 ワクチンパス第3段階実施、3回目未接種者は行動制限
 ・モンゴル 中国との航空便、北京・上海除き再開
【東南アジア】ASEAN加盟国間のワクチン接種証明書相互承認が合意
 ・シンガポール 出国時審査を生体認証でパスポート不要に
 ・ベトナム 入国制限緩和で海外からの訪問者増
 ・タイ 非常事態宣言延長も、ナイトクラブの規制は解除
 ・インドネシア 感染者減少で屋外でのマスク着用義務撤廃
 ・マレーシア マレーシア航空、コロナ禍前水準まで増便
 ・フィリピン 接種済み外国人、入国前の陰性証明不要に
 ・ラオス 入国規制を大幅に緩和

【東アジア】日本、外国人観光客の受け入れ再開へ

東アジアでは、日本が外国人観光客の受け入れ再開を進めており、韓国でも仁川空港の国際線が正常化するなど、国際的な往来が活発化しています。

日本 外国人観光客の受け入れ再開へ

斉藤国土交通大臣は5月17日、訪日観光再開に向けて、感染状況が比較的落ち着いているアメリカ、オーストラリア、タイ、シンガポールの4か国を対象に、5月中に試験的な少人数の訪日ツアーを実施する考えを表明しました。

また日本政府は5月20日の会見で、水際対策について6月1日から入国者の上限を2万人に拡大し、検疫体制を緩和することを発表しました。

さらに5月26日には岸田首相が、6月10日から外国人観光客の受け入れを再開する方針を表明しました。

いっぽうJETROの調査によれば、4月の日本の対中国貿易は、封鎖措置の影響も受けて、輸出、輸入とも2ケタ減となりました。

韓国 仁川空港の国際線正常化へ

韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相は6月3日、韓国入国時に適用している新型コロナワクチン未接種者の7日間の隔離義務について、6月8日から解除すると発表しました。

さらに同日から、仁川国際空港の航空規制も全て解除され、国際線の運航が正常化します。

また韓国法務部は5月19日、2020年4月13日以降暫定的に中断していた、外国人観光客などが対象の短期訪問(C-3)ビザの発給について、6月1日から再開すると発表しています。

在日韓国大使館は、5月24日に日本人に対する一般観光ビザ(C-3-9)の受付について、5月29日には日本人に対する観光就業(ワーキングホリデー)ビザ(H-1)の受付について、それぞれ6月1日から再開すると発表しました。

なお韓国大統領府は5月13日、前日に国内のコロナ流行を初めて確認したことを受けて、北朝鮮に新型コロナウイルスワクチンや医療品を支援する方針を発表し、16日には二国間の実務者協議を提案したことを明らかにしました。

北朝鮮 国内のコロナ感染を初めて公式に確認

北朝鮮は5月12日、国内で新型コロナウイルス感染を初めて公式に確認したことを発表しました。

平壌でオミクロン変異株の感染が確認されたとしており、専門家はコロナ禍と干ばつで同国の食料不足が一段と深刻化すると懸念しています。

金正恩朝鮮労働党総書記は「建国以来の大動乱」だとして、感染拡大防止に総力を挙げて取り組むよう呼びかけています。

なお共同通信は、5月29日に平壌の移動制限が緩和されたと報じており、北朝鮮メディアは感染状況が安定したとしています。

中国 上海市ロックダウン解除、団体旅行の規制も緩和

中国の上海市では6月1日、2か月におよんだロックダウンが解除され、2,500万人の市民のほとんどが自由な外出ができるようになりました。

また同国の文化観光省は5月31日、新型コロナウイルス感染者が確認された地域における団体旅行に関する規制を緩和しました。

金融財政当局も5月26日に、航空会社への補助金支給や中小企業向けの融資促進などの支援措置を打ち出しています。

中国証券監督管理委員会(CSRC)は5月20日、コロナ禍で打撃を受けた企業の株式と債券の発行手続きを簡素化すると発表しました。

なお四川省成都市で6月27日に開幕予定だった第31回世界ユニバーシアード夏季大会は、国際大学スポーツ連盟(FISU)が5月6日に、2023年に開催を延期すると発表しています。

台湾 入国制限緩和も、外国人観光客の受け入れ再開は検討せず

中央感染症指揮センターは5月31日、一部地域から到着した旅客を対象として実施していた、空港での新型コロナウイルスの迅速PCR検査を6月1日から一時停止すると発表しました。

入国時に唾液の検体採取を済ませれば、検査結果を待たずに空港を離れることができるようになります。

いっぽう同センターの荘人祥報道官は6月3日、外国人観光客の受け入れ再開は現時点では検討していないと明らかにしました。

なお指揮センターは6月中にも、入国後の検疫日数の短縮など、水際対策の緩和を発表する方針です。

香港 ワクチンパス第3段階実施、3回目未接種者は行動制限

香港では5月31日から「ワクチンパス」の第3段階が始まり、原則3回接種を終えていない場合は指定施設の利用ができなくなります。

さらに香港政府は5月29日、香港入境者に対する検疫関連措置を変更すると発表し、到着後5日目と12日目に義務付けられていたPCR検査は、新たに9日目の検査実施が追加されました。

いっぽう入境前48時間以内のPCR検査陰性証明書の発行機関証明書類は提示不要となり、3歳以下と香港国際空港トランジット利用者の入境前PCR検査も不要となりました。

モンゴル 中国との航空便、北京・上海除き再開

モンゴル政府は5月25日、北京と上海を除く中国との定期航空便について、6月1日から段階的に再開することを閣議決定しました。

同国では中国との航空便が2020年2月14日から停止されており、約2年4か月ぶりの再開となっています。

【東南アジア】ASEAN加盟国間のワクチン接種証明書相互承認が合意

東南アジアでは、5月14日にASEAN保健相会合がインドネシア・バリ島で開催されました。

ASEAN加盟国間における新型コロナウイルスワクチンの接種証明書の相互承認が合意され、ASEAN域内の人の往来の円滑化が進むことが期待されています。

シンガポール 出国時審査を生体認証でパスポート不要に

シンガポールのテオ上級相兼国家安全保障調整相は5月17日、外国人を含むすべての旅行者について、2022年後半にもチャンギ国際空港での同国からの出国時の審査を生体認証(バイオメトリクス)のみで行う計画を明らかにしました。

パスポートや搭乗券の提示が不要になることで、手続きが容易となり、ポストパンデミック期において安全かつ健康に配慮した渡航が可能になるとしています。

ベトナム 入国制限緩和で海外からの訪問者増

ベトナム統計総局によれば、4月の海外からベトナムへの訪問者数(推定)が、前月の2倍以上となる10万1,373人にのぼりました。

同国は2022年1月から入国制限を徐々に緩和し、3月15日には入国後の隔離措置を撤廃しました。

コロナ禍以前の水準(月間150万人)には及ばないものの、観光客や出張者が戻り始めています。

タイ 非常事態宣言延長も、ナイトクラブの規制は解除

タイ政府は5月24日、非常事態宣言を2か月間延長することを決定しました。

ただし同国政府は5月20日に、ナイトクラブやカラオケ店に対して、6月から通常営業時間の再開を認める方針を示しています。

またタイは6月1日から、ワクチンを未接種の入国者の隔離義務も撤廃し、到着時に検査を受けるか、出発前の陰性証明の提示が必要となります。

インドネシア 感染者減少で屋外でのマスク着用義務撤廃

インドネシアでは5月17日、新型コロナウイルス感染者数の減少を受けて、屋外でのマスク着用義務を翌18日から撤廃すると発表されました。

ただし屋内と公共輸送機関での着用義務は継続し、高齢者や、基礎疾患や咳の症状のある人は着用を推奨するとしています。

また5月18日には、これまで同国入国時に求められていた出発前のPCR検査による陰性証明書の提示が不要となりました。

マレーシア マレーシア航空、コロナ禍前水準まで増便

マレーシア航空は、インド便の便数について、2022年内にコロナ禍以前の水準に戻す意向を示しました。

新路線の追加や、使用機材のアップグレードも検討するとしています。

フィリピン 接種済み外国人、入国前の陰性証明不要に

フィリピン政府は5月27日、新型コロナウイルスワクチンを接種済みの外国人などを対象として、同国入国前の陰性証明を不要にすることを明らかにしました。

5月30日から適用される予定となっています。

ラオス 入国規制を大幅に緩和

ラオス政府は5月9日から、海外からの入国者に対する水際措置を大幅に緩和しました。

これまで義務化されていた、専用サイト「Lao Green Pass」を通じたQRコードの取得のほか、医療保険の加入や、出発前と入国後のRT-PCR検査は廃止されました。

日本国籍保有者は、観光・ビジネス目的いずれにおいても、15日以内の滞在の場合はビザの取得が免除されます。