ソーシャルビッグデータの調査・活用およびコンサルティングを行うソリッドインテリジェンス株式会社は、海外における「日本旅行」に関する話題について、17市場(国・地域)、9言語で1,200万件以上の投稿データを収集し、都道府県別・市場別に集計・分析したレポート「全国版」と「市場別編」を公開しています。
そのレポートを2021年の最新データに更新した最新版を公開しました。
目次
海外における日本各地の認知度、話題性を可視化
秋田県 インバウンド向け鉄道パスなどが話題に
三重県 動画コンテンツがきっかけで話題量増加
海外ユーザーの「生の声」が誘客施策のヒントに
取得データの概要
海外における日本各地の認知度、話題性を可視化

レポート「全国版」では、各都道府県においてどの国や地域からの話題量が多いかがわかり、海外市場における認知度を把握できます。
ランキング順位の推移から、時期による話題量の変化を確認したり、他の都道府県のデータと比較することで海外市場における認知度の違いを把握したりすることができます。
「市場別編」では、各市場(国や地域)においてどの都道府県の話題が多く投稿されているのかがわかり、ターゲットとしている市場における立ち位置を測ることができます。
「全国版」「市場別編」ともに、ソーシャルメディアの話題量から知名度や認知度を測る指標の1つとして活用が可能です。
また、観光客の往来ができないコロナ禍において、旅行者のデータを取得するのが困難な中、ソーシャルメディア上に投稿される情報は「旅行者の今」を知る貴重なデータです。
フォーラム上で旅行の相談をしていたり、日本在住の外国人が情報を発信し、それに対してリアクションしていたりと、旅行者がいない中でも旅行に関する話題が投稿されていることが確認できます。
今回はコロナ禍で外国人旅行者が来日できなかった期間でも、ランキング順位が向上している秋田県と三重県の事例をご紹介します。
秋田県 インバウンド向け鉄道パスなどが話題に

レポート「全国版」で秋田県のランキング推移を見ると、17市場の平均順位ではコロナ禍が始まった2020年に、ランキング順位が前年より5位上昇し、2021年には前年より1位ランクダウンしています。
個別の市場を見てみると、香港、オーストラリア、フランス、ドイツの4市場で、コロナ禍が始まった2020年から毎年ランキング順位が上がっており、特に香港やフランスでは順位が大きく変化しています。
(香港:2019年→2020年→2021年:35位→30位→21位、フランス:2019年→2020年→2021年:36位→35位→21位)
ランキング順位が向上した要因を調べてみると、香港では2020年12月に、訪日外国人旅行者向け鉄道パス「JR EAST PASS」の利用エリアや価格改訂などの情報がフォーラムで公開され、話題となっていました。
日本を旅行する際に最適な移動手段やお得なきっぷ情報について言及されており、秋田や青森などの遠いところに行くときの交通手段に関するコメントなどが見られました。
2021年1月には、大雪によって秋田で停電が起こったニュースのほか、アニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」の話題が投稿され、話題量が増加しました。
フランスでは2021年1月に、日本在住のフランス人インフルエンサーが乳頭温泉の写真を載せ、「北日本の混浴へ行ってみた」とツイートした投稿が数多くリツイートされていました。
このツイートには2,000以上のいいねの反応があり、インフルエンサーの投稿による知名度の向上が期待できそうです。