シベリアの古代遊牧民は流血の儀式を行なっていた
研究チームが骨に刻まれた外傷を分析したところ、遊牧民の25%が対人暴力によって死亡していたと判明。
これらは主に戦争や襲撃による直接的な戦闘に関連しており、しばしば断頭の痕跡も見られます。

(画像=頭蓋骨の矢尻痕跡 / 女性の頭蓋骨にある矢尻の痕跡/Credit:Marco Milella、『ナゾロジー』より引用)
この暴力の対象となったのは主に男性でしたが、女性や子供も多く含まれていました。
さらに遺体の中には喉を切り裂いたり、頭の皮を剥いだりした痕跡が発見されています。
ミレラ氏によると、「このことは彼らの暴力が、襲撃や戦闘だけでなく、謎に包まれた儀式によるものであったことを示します。そしてこの儀式は殺害や戦利品の収集の際に行われた可能性が高いようです」とのこと。

(画像=下顎骨の刃傷痕 / 子供の下顎骨にある刃傷痕跡/Credit:Marco Milella、『ナゾロジー』より引用)
このように古墳「Tunnug1」から得られる情報は、埋葬された人々が酷い暴力を経験したことや、未知の儀式が存在していたことを明らかにしました。これは当時の南シベリア全域の政治的な不安定性が関係していた可能性もあるでしょう。
またチームは既に、この研究に関連したDNA研究を完了しており、今後、古代遊牧民の食事や移動性、遺伝的関係を再構築する予定です。
参考文献
archaeologynews
提供元・ナゾロジー
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