上の画像は、古代ローマ時代にさかのぼる錆びついた2本の釘です。

テルアビブ大学(イスラエル)は最新研究にて、「釘がイエスの磔刑に使用された”聖釘(せいてい)”の可能性が浮上した」と発表しました。

イエスとの直接的な繋がりが見つかったわけではなく、2本の釘が、イエスを磔刑のためにローマ総督に引き渡した大祭司カイアファ(在位18〜36年)の墓から見つかった可能性が示唆されたとのことです。

本研究は、聖釘について新たな議論を巻き起こしています。

研究は、『Archaeological Discovery』に掲載されました。

目次
釘はどこからきた?
カイアファの墓と釘に見つかった共通点とは
聖釘は本当に存在するのか?

釘はどこからきた?

2本の釘は、テルアビブ大学のイスラエル・ハーシコビッツ氏が、1986年に亡くなった知人で人類学者のニク・ハースから譲り受けたものです。

イスラエル考古学庁(IAA)によると、ハースはカイアファの墓が発見される以前の1970年代に発掘されたある墓からそれらを入手したとのことですが、実際には釘がどの墓から得られたものかわかっていません。

ところが、2011年に発表され物議をかもしたドキュメンタリー『The Nails of the Cross(十字架の釘)』で、監督兼ジャーナリストのシムチャ・ヤコボビッチ氏が「2本の釘はもともとカイアファの墓にあったもの」と主張し、再び釘に注目が集まりました。

2本の釘が「イエスの磔刑」に使われた可能性が浮上、イエスを売った人物が持っていたものか
(画像=カイアファ(左)の前に立つイエス(右) / Credit: ja.wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

問題のカイアファの墓は、1990年代に道路の敷設作業員によって発見されました。

墓には12の納骨箱が保管されており、側面に「Qayafa(=カイアファ)」の名が刻まれていたり、精巧な装飾が施されたものも見つかっています。

2本の釘が「イエスの磔刑」に使われた可能性が浮上、イエスを売った人物が持っていたものか
(画像=墓から見つかった納骨箱 / Credit: Israel Hershkovitz、『ナゾロジー』より引用)

確かにカイアファは、イエスを引き渡した罰として、磔刑に使われた釘を終生持っていたと伝えられています。

しかし、2本の釘がカイアファの墓から取り出されたものとはまったく証明できていません。