1:誘う距離を考える

たとえばサビキ仕掛けの長さが1mあったとして、竿先で1m上げると、仕掛けの最上部であった部分にカゴがきます。ここで考えたいのは再び竿先を下ろし、仕掛けを沈めてアタリを待つ時に、仕掛けより上のタナにまきエサをしても、ハリがないので無駄なまきエサになるということです。

なので、大きくシャクり上げる必要はなく、自分が使用しているサビキ仕掛けの長さ分を、上げる幅のマックスとして認識するといいです。それにより。仕掛けの周りに効率的にまきエサを撒くことができ、より仕掛けの周りに魚を集中して寄せることで、多点掛けを狙うことができます。

2:フォールの誘いを重視

アジやサバなどは上から落ちてくるエサに非常に良く反応します。そこで、仕掛けをごくゆっくりと下げていく誘い方が有効になります。よく、竿の上下動で力いっぱい竿を上げて下ろしている人を見かけますが、実は仕掛けを上げる時にはカゴからエサが出ないので、力を抜いて問題ありません。

重要なのは竿を上げてから、下ろす時の動作となります。マキエカゴは上に口が開いていて、沈める時にまきエサが出ますが、実は沈み始めるときがもっともまきエサが出る瞬間です。フリーに近い一定の速度で沈めると、カゴによって生まれる反転流により、まきエサが押さえつけられて、大量に出ることは少なくなります。

まきエサを出してからゆっくり沈下

それを考慮した上で紹介したい誘いが、スローフォールの誘いです。この場合、竿を上げた状態からゆっくりとフォールさせるとあまりまきエサが出ません。そこで、たとえば1mのサビキ仕掛けを使っている時に、1m上げたら、その半分(50cm)程度までをフリーフォール、そこから残りの50cmはごくゆっくりと下げていきます。

上カゴの場合はシャクった瞬間にコマセが出るので、シャクった後、少し上に糸を巻いてからコマセの煙幕に同調させるように落とし込むなど、考え方は一緒で動作を変えていきましょう。

竿先を浮かせるアタリ

フリーで少し落とす時にまきエサを出し、そこからゆっくりとフォールさせることで、落ちてくるエサに好反応を示す小アジにアピールすることができます。この時の典型的なアタリのパターンが、穂先を大きく1度、2度と浮かせるようなアタリです。これが小アジ独特のアタリとなります。

サバなどの場合は、いきなりギューンと引き込んだり、イワシなどはプルプルと穂先に振動が伝わることで掛けた反応を見て、魚の種類を見分けることもできるでしょう。