岸壁際を丁寧に探る
ここで浅井さんに釣り方を聞いてみると、「狙うのはとにかく岸壁際。底では食わんよ」。カサゴ=底というイメージを持つ読者は多いと思う。例えば胴つきでもジグヘッドでも、少しでも重めのものを使い素早く底に落としてじっくり探る……という釣り方が定番化している。
それは決して間違いではないが、考え方を変えれば岸壁はいわゆる「縦の底」なのだ。さらに岸壁にはフジツボやカキ殻など、さまざまな貝類、海藻類が付着する。それらはカサゴが身を隠す絶好の隠れ家になっているのだ。
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(画像=壁際を攻める(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)、『TSURINEWS』より引用)
特に今年のように不調のシーズンでは、この岸壁際をいかに丁寧に探るかが、釣果を分けるキモになるようだ。
したがって使うジグヘッドの重さは、1g前後と水深10m前後ある霞ケ浦ふ頭の岸壁にして軽めのものなのだ。ジグヘッドをゆっくりと落として、じっくり壁に着いているカサゴに見せるわけだ。
胴つき仕掛けやブラクリにしても同じ。できるだけ軽めのオモリを使い、上からじっくり落としてタナを探っていく。
壁際にヒット集中
吉田さんも息子さんも、以前からこの釣り方は浅井さんからマスターしていたようで、浅井さんの後を追うようにカサゴを連発していく。
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(画像=コンスタントにヒット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)、『TSURINEWS』より引用)
不調とは聞いていたが、それを覆すような連発に撮影も忙しくなったが、浅井さんによれば「底まで落とすと全くアタリがない」とのこと。例年なら壁際だけでなく少し沖のカケアガリでも十分アタリは得られるらしいが、今年に限っては皆無でアタるのは壁際のみのようだ。
事実取材の合間に置きザオで胴つき仕掛けにアオイソメを付けて沈めていたが、アタリはおろかエサをかじられた跡すらなかった。