今から30年ほど前、ニュージーランドにあるオーウェン山の洞窟を探検していた考古学者たちが、目を疑う驚きの発見をしました。

彼らが見つけたのは、恐竜のような鋭い爪を持った何者かの巨大な足先で、まだ筋肉や皮膚組織が完全に残されていたのです。

調査の結果、この足は約3300年前に生きていた巨鳥モアのものと判明しています。

モアはすでに地球上から姿を消していますが、一体どんな生物で、なぜ絶滅したのでしょうか。

目次
史上最も背の高い鳥類「モア」
モアが絶滅した理由とは?

史上最も背の高い鳥類「モア」

モアはニュージーランドを原産とするダチョウ目モア科の鳥類で、最初に出現したのは約850万年前です。

少なくとも10種以上が存在し、一番大きなジャイアント・モアは、高さ約3.6メートル、体重約230キログラムに達します。

最小の種で、現代の七面鳥ほどだったようです。

3300年前の巨鳥「モア」の”皮膚まで保存された足”がリアルすぎる。クローン化も可能?
(画像=巨鳥モアのサイズ感 / モアの体格比較/Credit: Wikimedia Commons、『ナゾロジー』より引用)

見た目はダチョウに似ており、強靭な脚力が発達していましたが、空を飛ぶことは出来ませんでした。

また当時のニュージーランドは、天敵となる生物がおらず、モアは悠々自適に暮らしていたようです。

ところが、ある生物がニュージーランドにやってきたことで彼らの運命は狂い始めます。

3300年前の巨鳥「モア」の”皮膚まで保存された足”がリアルすぎる。クローン化も可能?
(画像=巨鳥モアの足跡 / モアの足跡の化石/Credit: Wikimedia Commons、『ナゾロジー』より引用)

モアが絶滅した理由とは?

9〜10世紀頃、モアが暮らしていたニュージーランドに「マオリ族」が上陸しました。

モアの絶滅原因については長い間、専門家たちによる議論が続けられましたが、今ではマオリ族の乱獲が最有力となっています。

進化生物学者のトレバー・ワーシー教授は、次のように説明します。

「DNAを調べたところ、絶滅時期のモアは、種の存亡の危機には瀕しておらず、遺伝子的にもまったく衰えていませんでした。むしろ、頑強で健康な集団を形成していたのですが、人類と遭遇したことでモアは終わりを迎えたのです」

3300年前の巨鳥「モア」の”皮膚まで保存された足”がリアルすぎる。クローン化も可能?
(画像=マオリ族によるモアの狩猟 / Credit: Wikimedia Commons、『ナゾロジー』より引用)

狩猟採集民であったマオリ族は、砂袋に小石をためるモアの習性を利用し、焼け石を呑ませることで捕獲していたそう。これだけ巨大なので、むやみには近づけなかったのでしょう。

また、森林の開拓により生息地が減ったことも絶滅の一因となりました。

結果、モアの数は急速に減少し、およそ700〜800年前にはニュージーランドから姿を消しています。

3300年前の巨鳥「モア」の”皮膚まで保存された足”がリアルすぎる。クローン化も可能?
(画像=マオリ族による巨鳥モアの狩猟 / Credit: Wikimedia Commons、『ナゾロジー』より引用)

一方で、これだけ保存状態の良い足が見つかったなら、DNAを採取し、クローンを生み出すこともできるのではと思われています。

しかし、クローン化に成功しても、繁殖相手や遺伝的多様性に欠くため、すぐに絶滅してしまうでしょう。

ジャイアント・モアのクローン化による復活には、まだサンプルや環境の準備が不十分なようです。


参考文献

boredpanda


提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功