元渕江公園の概況
今年は連日のように猛暑続きで、夏バテ気味の人も多いだろう。水中に棲むヘラも人間同様で、水温の上昇とともに食い渋ってバテ気味。こんな時は涼を求めて山上湖なんかで、マイナスイオンを浴びながら竿を出したいところ。だがコロナ禍の影響で、遠征できない人もいることだろう。
元渕江公園は都内にありながらも、いろいろな昆虫が生息する自然が残っている公園。園内には巨大な樹木が植えられており、野鳥が羽根を休める場所となっている。
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園内には足立区生物園があり(現在はコロナ禍で入場制限中)、キンギョが泳ぐ大水槽や里山を再現した昆虫ドーム、南国の蝶々か飛び交う大温室、そのほか鳥やほ乳類も観察できる。
毎年、年末から年明けにかけて行われるイルミネーション(光の祭典)の開催時期は、巨大な木に電飾が施されて幻想的な雰囲気が楽しめる。インスタ映えする人気スポットとしても注目されている。
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公園内には2つの池があり、昔からヘラが釣れる池として知られている。最近はタイリクバラタナゴや運がよければヤリタナゴも釣れるようになり、タナゴを専門に狙う釣り人も増えている。
ポイント
大きく分けて大池と小池の2つの池がある。水は通水しているので、どちらの池でもヘラは釣れる。公園内の池ということで、大池&小池ともに安全面を考慮して作られているので、水深は90cmほど。ヘラの他にマブナやコイ、半ベラなども多い。
小池
ヘラ釣り人もいるが、どちらかというとタナゴや雑魚を狙う人が多い。
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大池
最近、撹拌装置(バッキ)が設置された。このおかげで酸欠による食い渋りが解消されたようで、夏場でも釣果が上がるようになった。ただしバッキの水流は強いので、近くを狙う時は中・外通しのドボン釣りとなる。
両池ともにポイント差はほとんどないが、バランスの底釣りや宙釣りをしたい場合は、水流の影響が少ない小池か、大池西側のワンド付近に入るといい。
釣り方とエサ
元渕江公園での釣り方とエサを紹介しよう。
底釣り
岸寄りにコイが居着いているので、竿は11尺以上を出したほうが被害は少ないだろう。
ラインは宙、底釣りともに道糸1号、ハリスは0.5号が目安。大池での底釣りの場合は、水流の関係で0.3~0.5号オモリを使用する外・中通し仕掛けで狙う人が多い。
このドボン釣りでキモになるのが、オモリとウキのバランス。全体に水深が浅いので、ウキは全長30cm前後でパイプトップが適している。目安としてはウキがギリギリ流されない程度のオモリを使ったほうが、微妙なアタリをキャッチできる。
ハリスの長さは上20~25cm下30~35cmが基準。ハリはバラサ4~5号が基準。
ドボンと同じくオモリベタも有効。この場合はドボン同様、ウキとオモリのバランスが重要。ドボンのようにオモリを底にピタッと着けるのではなく、やっとウキが沈むくらいの板オモリを使用する。
イメージとしてはラインに巻いたオモリを、底に横向きに寝かせるのではなく、立った状態で着けてアタリを待つ。
ドボンとの違いは、流れにより多少ウキが動くので、それが誘い効果にもなる。
底釣りの場合は、ダンゴの底釣り夏200cc+水65~70cc。またはダンゴの底釣り芯華200cc+水100ccで対応できる。
宙釣り
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竿は8~11尺ほどでいい。タナは浅ければ浅いほどヘラが釣れる確率が高い。基本的には両ダンゴで打っていき、食いが渋いようならウドン系を食わせにしたセット釣りで狙う。
ハリスの長さは両ダンゴの場合、上15~20cm下25~30cmが基準。ハリは上下リグル6~7号が基準。ウキは全長15cm前後のものが釣りやすい。
エサはジャミが多いのでカクシン500cc+コウテン200cc+水200cc。エサが持たない時は、手水で練り込む。
しっかりとウキをナジませてしまうと、マブナや半ベラの確率が高くなるので、早めに出るアタリを積極的にとっていく。
セット釣りの場合、上ハリスは8cm前後、下ハリスは長くても35cmまで。ハリは上バラサ6~7号、下へら軽玉鈎3~5号が基準。ウキは両ダンゴのものと同じ。
バラケ配合はバラケマッハ400cc+BBフラッシュ100cc+水100cc。食わせは感嘆の場合、粉1に対して水1。気温が高いとダレやすいので注意。ダレたら作り直そう。また持っているなら力玉ハードⅡでも対応できる。
<週刊へらニュース山野正義/TSURINEWS編>
▼この釣り場について
元渕江公園
入釣料:無料、釣り台必携。
この記事は『週刊へらニュース』2021年8月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。
提供元・TSURINEWS
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