人魚のモデルは?
今回のミイラのように、人魚は「人間と魚類の特徴を兼ねそなえ、基本的に水中に生息する」とされる生物です。その伝説・伝承は世界中に残っており、例えばヨーロッパにおける人魚は「人魚姫」「セイレーン」に代表されるように、上半身がヒトで下半身が魚類となっているものがほとんどです。
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一方で日本に伝わる人魚は一見すると人間そのものの見た目であるものや、ヨーロッパのものと同じような「上半身がヒト、下半身が魚」のものとが混ざっています。後者は外国の文化の影響を受けていると考える人もいるようです。
面白いのはこのような「人魚」伝承が、世界中が情報でつながる以前から各地に存在してきたということです。一体、そのモデルはなんなのでしょうか。
我が国では「人魚のモデルは水性哺乳動物のジュゴン」だと広く言われていることをご存じの方も多いと思いますが、実はジュゴンは日本の自然環境下には生息していません。にも関わらず、明治時代にジュゴンの存在が知られるようになる以前から、日本にも人魚伝説は存在するのです。
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このことから、日本にはジュゴンではない、日本ならではの「人魚のモデル」がいたと考えるのが自然でしょう。現状、そのひとつは深海の巨大魚「リュウグウノツカイ」ではないかとされています。確かに彼らの長く伸びた背鰭や赤と銀の派手な色合いは、十二単を着た華やかな女性を連想させるのでさもありなんという気がします。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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