釣りと天気
ただ、気をつけなければならないのは、自然を相手にする趣味だということです。いくら先輩が手取り足取り教えてくれても、自然の力には勝てません。魚がいる海や川もそうですが、私たちが長い時間待つのも屋外なので、自然や天気にかなり左右されます。
雨もそうですが、特に釣りへの影響が大きいのが風。風向きや風の強さで釣果は途端に変わりますし、なにより、釣りをしている私たちの体感を大きく左右します。そして、意外と盲点なのが冬の最低気温。これに何度だまされたことか。そのあたりも含め、釣りと天気は切っても切れない関係なのです。以下、詳しく解説します。
風と体感温度
これは熱が「熱いも」のから「冷たいもの」に移動するためで、我々釣り人(熱いもの)からすれば、風(冷たいもの)に熱を奪われる形になり、寒いと感じるわけです。また、太陽光を暖かく感じたり、梅雨時にエアコンの除湿をかけるだけでひんやり感じるように、日照量や湿度も体感温度にかかわっています。
目安としては、風速1m/sで体感温度が1℃下がると言われています。気温が15℃の時に風速が5m/sだと、体感は10℃という計算になります。
とはいえ、風を遮る装備があればかなり状況はかわってきます。釣りにはウインドブレーカーやカッパなど、風を通さない素材の羽織を一枚用意しておきたいですね。
冬場の最低気温
そして冬場の最低気温。
話が少しずれてしまいますが、テレビの天気予報で何気なく使われている「気象を説明する際に使われている表現」には明確な決まり事があるのをご存じですか?
例えば「激しい雨」は「1時間に30mm以上50mm未満の雨」、「非常に激しい雨」は「1時間に50mm以上80mm未満の雨」を意味しています。「超大型で猛烈な台風」は「風速15m/s以上の半径が800km以上で最大風速が54m/s(105kt)以上の台風」という感じです。
で、問題になるのが、最低気温。注意深く聞いていると、「明日朝の最低気温」、「日中の最高気温」という表現をしていることに気が付くと思います。そう、「明日朝の最低気温」は「明日0時から9時までの最低気温」、「日中の最高気温」は「9時から18時までの最高気温」を意味しているのです。
ここで落とし穴になるのが、冬場は往々にして朝の最低気温より、日中の最高気温の方が低くなるということです。朝の最低気温が10度を超えていても、寒気の入り具合で日中の最高気温が氷点下なんてことが起こり得るということです。
最低、最高の言葉に惑わされず、しっかり数字で気温を確認しましょう。ちなみに、グラフで表されている予報ならこういった落とし穴は回避できますよ。
<多胡安那/TSURINEWSライター>
提供元・TSURINEWS
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