イギリスの調査会社「ヘンリー&パートナーズ」は、世界各国のパスポートを比較した「ヘンリー・パスポート・インデックス2022」を更新しました。

最新の第2四半期のランキングでは、ウクライナ侵攻の影響でロシアが順位を急落させたことがわかりました。その一方で、ウクライナは順位を1つ上げました。

ロシアとウクライナに対する西側諸国の対応が、今回のランキングに直接影響を与えたといえます。

目次

  1. ロシア急落、ウクライナは順位上げる
    1. 侵攻は「取り返しのつかない」影響与える
  2. 上位は大きな変化なし、日本は首位キープ

ロシア急落、ウクライナは順位上げる

「ヘンリー・パスポート・インデックス」は、国際航空運輸協会(IATA)のデータをもとに、ヘンリー・パートナーズ社が作成するランキングです。パスポートの保有者が、事前のビザ申請なしで渡航することができる目的地の数に応じて、世界各国のパスポートがランキングされています。

2022年第2四半期のランキングでは、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が現れました。

ロシアは49位となり、前期よりも順位を4つ下げました。ビザなしで渡航可能な目的地の数は117となっています。

EUとアメリカ、カナダがロシアからの航空機の着陸を停止していることや、西側諸国がロシア人に対してビザの発行を停止していることなどが影響しました。ロシアの順位の下降は、今後も続くと考えられます。

その一方で、ウクライナは34位となり、前期から順位を1つ上げました。ビザなしで渡航可能な目的地の数は143となっています。

西側諸国がロシアへの対応とは逆に、ウクライナからの避難民に対して、入国制限などを緩和していることが、この順位上昇の要因となっています。

EUはウクライナ人に対し、27の加盟国のいずれにおいても滞在・就労を許可する特別措置をとっています。また多くの西側諸国が、ウクライナ人に対してビザの要件を緩和しています。

侵攻は「取り返しのつかない」影響与える

ヘンリー・パートナーズ社のレポートは、最新のランキングは「戦争が移動の自由に対して与える、深刻で、おそらく取り返しのつかない影響を明確に表している」と述べました。

またヘンリー・パートナーズ社の社長であり、ランキングの発案者であるクリスチャン・ケラン氏は、「ロシアのパスポートが急速に価値を失い、世界がウクライナ人に対して門戸を開放している。これは、あなたが持っているパスポートがあなたの運命を決め、あなたが得られる機会に対してとてつもない影響力をもつのだということを、鮮明に表している」と述べました。

ロシアと西側諸国との分断は、パスポートの調査からも見て取れます。そしてこの分断は当面の間続くことになると予想されます。

上位は大きな変化なし、日本は首位キープ

ランキングの上位には、大きな変動は見られませんでした。

1位は前期と変わらず、日本とシンガポールでした。192の目的地にビザなしで渡航することができます。

しかし、このランキングは入国に際してのビザの要件について調査したものであり、コロナによる渡航制限の影響は加味していません。

トップ10入りした33カ国のうち、27カ国がヨーロッパの国となっており、ランキングに大きな変動はみられませんでした。

カッコ内の数字は、ビザなしで渡航可能な目的地の数を表しています。

  1. 日本、シンガポール(192)
  2. ドイツ、韓国(190)
  3. フィンランド、イタリア、ルクセンブルク、スペイン(189)
  4. オーストリア、デンマーク、オランダ、スウェーデン(188)
  5. フランス、アイルランド、ポルトガル、イギリス(187)
  6. ベルギー、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、アメリカ(186)
  7. オーストラリア、カナダ、チェコ、ギリシャ、マルタ(185)
  8. ハンガリー(183)
  9. リトアニア、ポーランド、スロバキア(182)
  10. エストニア、ラトビア、スロベニア(181)

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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