
今日は何の日?
今日5月31日は、19歳という若さで夭折した稀代の天才数学者ガロアの命日だ。
彼の死因は、病死でも自殺でもない。なんと、恋人を掛けた銃の決闘で死んだのだ。
さらに彼は決闘の前夜、それまでに考えていた数学のアイデアをまとめ友人に託している。
それこそが「ガロア理論」と呼ばれる、数学の群論という分野に関わる非常に重要な理論だった。
相対性理論も量子力学も、ガロア理論がなくては語れない。そして、数学界の超難問とされてきたフェルマーの最終定理の証明についても重要な鍵を握っている。
そう、彼は20歳前に亡くなりながら、未だに科学・数学の世界に多大な影響を与え続けている人物なのだ。
まるで「なろう小説」の主人公並みに設定盛り過ぎなガロアについて、彼の命日を偲んで振り返ってみよう。
彼のドラマチックな人生を知れば、意味はわからなくても数学が好きになるかもしれない。
10代で思いついたガロア理論
エヴァリスト・ガロアはフランスの数学者で、10代の若さでなくなりながら、未だに世界に影響を及ぼすガロア理論の提唱者だ。
彼の考え出したガロア理論とは、方程式の性質調べるための理論だ。

こんな数式を覚えているだろうか? これはおそらく多くの人が高校生のときに苦しんだと思われる、2次方程式の解の公式だ。
苦しんだとはいえ、方程式の解がこうした公式で必ず得られるというのはかなり便利ですごいことだ。
ただ解の公式は3次以上の方程式になると、まさに大惨事というべき飛んでもない公式になってしまう。そして19世紀になるまで4次方程式までしか解の公式は見つかっていなかった。(貼ると邪魔になるくらい長い公式になるので、気になる人は検索してみよう)
当時の数学者たちは、5次以上方程式でも解の公式はあるはずだと考えていた。しかし実際は5次以上の方程式に解の公式は存在しない。それを証明したのがガロア理論だ。
ガロアはそんな方程式の検証をするために、ある性質の数ごとにグループを作り、そのグループごとの対称性を調べるという方法を使った。
対称性というのは、私たちの普段の生活の中でもよく聞く言葉だが、数学における対称性とは「ある操作をした場合でも性質が変化しない」という意味になる。
例えば正四角形のテーブルが部屋に置かれていて、それを90度回転させたとしても、普通は気づかない。これは正四角形は90度の回転に対して対称性を持つためだ。
なら丸いテーブルはどうかというと、これはどう回転させても回ったことには普通気づかない。円は回転という操作に対しては無限の対称性を持つからだ。
厳密に言うと木目とか足の形とか出て来るわけだが、この場合は無視しよう。

こうした原理で、ガロアは性質ごとにグループを作り、それに操作を施して変化するかしないかを見ていくことで、解ける方程式と解けない方程式の性質を調べた。これが恐ろしくざっくりしたガロア理論の説明だ。
フェルマーの最終定理の証明においても、楕円曲線とモジュラーという2つの方程式を比べる際にガロア理論が用いられている。
何を言っているのか分からねーと思うが、とにかくガロアはすげー野郎なんだ。