キャンペーンにつられたり、商業施設などの店頭で進められたりして、つい何枚もクレジットカードを作ってしまうような人がいるだろう。しかし、多すぎるカードは思わぬトラブルの原因にもなる。ここはぜひ思い切って断捨離したいところだ。

クレジットカードの枚数は何枚がちょうどいい?

JCBは2020年に20代から60代の男女3,500人を対象にしてクレジットカードに関する調査を実施。それによると、クレジットカードの保有率は87%。平均保有枚数は1人当たり3枚で、平均携帯枚数は2.1枚という結果であった。つまり3枚のカードのうち2枚を持ち歩くパターンの人が多いことだ。

カードによって特典やサービスの内容が異なり、また国際ブランドの選択次第で使える店舗、使えない店舗が分かれてくるため、複数のカードを持つこと自体はニーズにかなっている。3枚ぐらいというのも管理上、ちょうどいい枚数といっていいだろう。

クレジットカードの持ちすぎはデメリットに

保有するクレジットカードの枚数が多すぎると管理がおろそかとなり、思わぬトラブルの原因となる。起こり得るデメリットを次に紹介しよう。

1,紛失しても気付きにくい

何枚ものクレジットカードを持っていると、そのうちの1枚を紛失してもすぐには気付かない可能性がある。全てを財布に収めていたとしても、こまめにチェックしなければ紛失に気付きにくいだろう。

また、枚数が多いとそのうち何枚かを自宅に置いておく人もいる。利用頻度が低いとどこに置いたか忘れてしまい、事実上の紛失状態となることもある。

カードの紛失は再発行と、それに伴ってカード番号を登録している各種サービスなどの情報更新が必要なためそれなりの手間となる。これはかなりのデメリットだ。

2,家族が勝手に使う可能性がある

クレジットカードが多すぎて何枚かを自宅に置いておく場合、家族が勝手にカードを使ってしまう可能性もある。これを家族による不正利用と表現してもいいだろう。通常、カードの不正利用は補償対象だが、家族による不正利用は補償対象外となる。

特に最近では、子どもが家族のクレジットカードを無断で使用してスマホゲームなどに課金してしまう問題が後を絶たず社会問題となっている。

3,不正利用に気付きにくい

何枚ものクレジットカードを持っていると、その枚数分、別個にカードの利用明細書が発行されるため、どうしてもチェックがおろそかになりがちだ。そこで、第三者からカード番号を不正利用されるケースなどにも気付きにくくなる。

通常、第三者によるカードの不正利用は補償対象だ。しかし、利用明細書の異常に気付かずカード会社への届け出が大幅に遅れてしまった場合は、補償対象外となる。

4,年会費負担がかかる

何枚もカードがあると、使っていないカードの年会費を払っているケースも出てくるだろう。注意が必要なのは、年1回以上のカード利用が年会費無料化の条件のカードを使わないまま放置してしまい、知らないうちに年会費がかかってしまっているケースだ。

5,ポイントが分散してしまいがち

トラブルではないが、何枚ものカードを使っているとポイントが分散してしまいがちだ。ポイントはある程度まとまらないと交換できないケースもあるので、使わないまま有効期限がきて失効させてしまうこともあり得る。

断捨離したカードは適切に処分する

以上の理由から、不要と思われるカードやすでにほとんど使っていないカードは、退会手続きを行った上で処分することをおすすめする。すでに有効期限切れの使っていないカードも処分した方がいいだろう。

カードには重要な個人情報が含まれるため、処分する際はカード番号の部分や署名欄のところなど数ヵ所にハサミを入れるようにし、何回かに分けて捨てる。念のため、カードの券面がごみ袋の外側から見られないようにした方がよい。

なお、入会間もないカードは退会対象にしないこと。入会後1年以内の退会はキャンペーン目的だけで入会したと思われてカード会社への心証が悪く、それ以降同じところでカードを作りにくくなるからだ。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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