■ 挙式スタート
ついに、挙式の開始時間。私たちも、誘導を終えて聖歌隊の立ち位置に移動します。会場を見渡すと、なんと、牧師がいるではありませんか!
私たちの心配をよそに、挙式は時間通りに始まり、滞りなく進みます。外国人牧師がギリギリ間に合ったのでしょうか?それとも代わりの人が手配できたのでしょうか?
不思議に思い、牧師をよくみてみると……。
なんだか見覚えのある顔……。
そう!Aさんです!さっきまで私たちに業務を教えてくれていたAさん。
牧師の服の裾からは、チェックのズボンが見えています。さっきまでの軽快な関西弁は、カタコトの日本語に変わっています。 始めは驚きで顔を見合わせた私たちでしたが、次第に笑いが込み上げてきます。でも、私たち聖歌隊の立ち位置は新郎新婦の横。目の前にはたくさんの列席者の方々……。そんな中、聖歌隊が笑い出すわけにはいきません。太ももをこっそりつねりながら、必死で笑いを堪えていました。
■ 後日談
後で聞いた話によると、来るはずだった外国人牧師は結局音信不通のまま。挙式の後に、Aさんから式場に事情を説明し謝罪したそうです。ちなみにAさんはイケメンではありませんが、堀深い顔立ちだったので、式場スタッフは外国人だと信じていました。
私たちは、その件を機に別の派遣会社に移ったため、謝罪の結果がどうなったかまでは聞くことはできませんでした。さらにその後、ウエディングプランナーになり、たくさんの結婚式を担当しましたが、日本人が外国人のフリをして牧師をするなんて、後にも先にもその結婚式のみ。 もう20年近く前の話ですが、当時学生の私とっては、衝撃的な珍事件でした。
文・一柳ひとみ/提供元・おたくま経済新聞
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